デンタルニュース

(平成24年3月号)

皆さん、こんにちは!いかがお過ごしですか?
医療法人社団寛麗会理事長の江波戸 寛です。
今月は前号からの続きで「保険診療と自費診療で作れる入れ歯の違い」についてご紹介したいと思います。
“保険診療”は国が決めた治療方法で、失ってしまった歯の機能を補うための入れ歯を作ります。
もちろん日常生活で困ることはなく、食事や会話を楽しめます。一方で、歯科の技術や材料は現在進行形で優れたものが開発されています。
歯科医師としては、保険診療で最新・最高の治療を行いたいのですが、国の医療予算が限られているため、やむを得ず保険の対象外、
つまり保険費の全額を患者さんが負担しなければならない“自費診療”となってしまうのです。

1.痛みの問題は材料で解決!

入れ歯でよくある問題は、歯ぐきに当たって痛い、というものです。保険の入れ歯はレジンという合成樹脂で作ります。
小さな入れ歯ならあまり問題にならないのですが、左右の歯にわたる大きな入れ歯では、噛んだ時に動いて、たわむことが主な原因です。
そこで保険対象外となりますが、たわまない硬い材質の金属を使うことで、この痛みの問題が解決できます。

2.快適さでも金属が優れている

金属は、舌で触れたときの違和感が少なく、レジンと比べて薄く加工しても強度が保てます。
薄いということは、発音もしやすく、装着感が良く感じます。さらに金属は熱の伝導率が格段に高いので、 熱い食べ物は熱く、冷たい食べ物は冷たく感じられあまり味覚を損ないません。
つまり、保険の入れ歯と比較して“快適”なのです。
その他にも自費の場合、人口歯の色・形が豊富にあり患者さまの表情に合った違和感のない入れ歯を作成できます。

3.工程数(手間)の違い

自費の入れ歯では、装着感をより良いものするため、カウンセリングに時間をかけ、型取り・噛み合わせなどの工程も自費専用のものを用いて、 2倍以上の手間をかけます。その結果とても精度の高い入れ歯に仕上がります。

4.主なメリット・デメリット

【保険の入れ歯】
メリット
・自己負担が少ない
・噛めるという点でもある程度満足できる
デメリット
・強度出すため分厚くなり違和感を感じる
・割れやすい
・たわむので痛みが出やすい

【自費の入れ歯】
メリット
・装着間が良い
・味覚を損なわない
・割れにくく長持ち
・人口歯の色や形が豊富
デメリット
・保険資料より高額で全額自己負担
・治療回数が多くなる



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