訪問診療の患者さまは、ほとんどの方が入れ歯を使われています。ご本人は歯科医師から入れ歯の取り扱い方法や注意点などの説明を受けていますが、その後、要介護となってしまった際、介護するご家族に入れ歯の使用経験がないと、間違った扱い方をしてしまうことが多々あります。例えば、消毒のため熱湯に浸けて変形させてしまったり、落として破損した時、瞬間接着剤等で修理したり。かえって歯科医院での修理を難しくしてしまうことも…。
そこで今月は、「介護者のための入れ歯の正しい扱い方」をお届けします。
これが正しい扱い方!
1.入れ歯は指や爪で装着、取り外しをしてください。
→入れ歯を噛んで装着すると、変形などの原因になります。
2.毎食後、入れ歯を清掃しましょう。
→入れ歯は吸水性で、表面には微小な穴があり、汚れや臭いを吸着しやすい性質があります。
毎食後、必ず取り外して、ブラシで水洗いしてください。
その際、研磨剤により傷がつくため、歯磨き粉は使わないで下さい。
3・寝る時以外は入れ歯を使用してください。
→抜けた歯の周りの歯が移動して上下の噛み合わせが悪くなるのを防ぐことができます。
4.夜寝る時は、入れ歯を外しましょう。
→入れ歯をずっと入れたままだと、床ずれの様になり痛みます。歯ぐきを休ませて下さい。小さな入れ歯は誤って
飲み込んでしまうこともあります。
5.入れ歯は水に浸けて保管して下さい。
→乾燥させると変形してしまいます。
6・落とさないよう注意して下さい。
→破損する場合があります。
これが正しいお手入れ方法!
1.入れ歯洗浄剤を使いましょう!
→ブラッシングだけでは、細菌の汚れを落としきれません。
微生物の塊であるデンチャープラークが付着し、義歯性の口内炎、口腔カンジダ症、口臭の原因となります。
毎日1回入れ歯を取り外す夜間に、入れ歯洗浄剤を利用して殺菌洗浄して下さい。
ヌメリもしっかり確実に取り除けます。
2.定期的に検査を受けましょう!
→入れ歯の歯の部分はプラスティックなので、すり減りますし、お口の中の状態も変化するので、歯科医院で半年に
1回、定期的に検査を受けてください!!