デンタルニュース

(平成24年8月号)

“トクホ”ってご存知ですか?
例えば「血圧が高めの方の食品」「コレステロールが高めの方の食品」と表示されている食品のことです。正式名称は「特定保健用食品」。身体の生理学的機能に影響を与える特別な成分を含んでいる食品のことで、医薬品とは異なり効能は表示できませんが有効性等については国の許可を受けたものです。この中に「むし歯になりにくい食品」というものがあります。皆さんも広告でよく目にするキシリトールがその代表です。
今月から2回にわたって『キシリトール』についてお届けします。

そのそのキシリトールって何!!

キシリトールは多くの果実や野菜に含まれている砂糖と同じ位甘い炭水化物です。むし歯予防に役立つのがわかったのは36年前。国内では平成9年に食品添加物として許可され、生産量の約8割がガムに使用されています。安全性については、WHO(世界保健機関)でも認められていて、病院では栄養剤としても使われています。

どんな効果があるの?

1.むし歯予防の効果
むし歯菌は砂糖を吸収して酸を作ります。この酸が歯を溶かしてむし歯になるのですが、むし歯菌がキシリトールを吸収しても、酸を全く作り出すことができません。さらに消化不良を起こして、むし歯菌自身の活動が低下し、弱体化するのです。

2.歯周病予防の効果
歯周病は最近の塊である歯垢(プラーク)が歯石となって歯ぐきに炎症を起こすことが原因です。この歯垢は、むし歯菌が産生するネバネバ物質によって歯にべったりと付着します。ところが、むし歯菌は、キシリトールからはネバネバ物質を作り出せません。そのため歯周病の原因となる歯垢が、ブラッシングでも簡単に落とすことができるさらさらしたものとなります。


3.唾液分泌の促進・歯の再石灰化
キシリトールは甘さが強いので、唾液が出やすくなり、口の中の汚れきれいに洗い流します。また唾液中の成分により再石灰化が起こり、歯が強くなることが分かっています。

※来月はキシリトールの使い方等について続きをお届けします。



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